四国デスティネーションキャンペーンにあわせて、金刀比羅宮所蔵の重要文化財・重要有形民俗文化財・県指定文化財等を特別公開いたします。こんぴらさんの“おたから”の数々をこれまでにないスケールでご覧いただけます。
主な特別公開展示品
重要文化財「十一面観音立像」
木造彩色、一躯、作者不詳
平安時代の作。金毘羅大権現時代には、観音堂の本尊として祀られていた。1本の檜材から彫りだされた一木造りで、冠の上の十一面の化仏(小さな仏)、台座、持物、光背等は失われているが、髪、眉、目には墨色、唇には朱色、胸部には瓔珞、裳には衣紋が色美しく描かれている。温雅ななかにも強い意志を秘めた面差しは、人々の篤い信仰を集め、神仏分離令の混乱を経て、なお、守り残された。荒彫の肌合いと深い衣文、彩色による細やかな装飾などが相まって、野性味と優美さを兼ね備えた魅力を放つ。
重要文化財「なよ竹物語絵巻」
紙本著色、一巻、伝藤原為家(詞書)、伝藤原隆能(画)
鎌倉時代に書かれた恋物語。後嵯峨天皇に見初められたある少将の妻が、天皇の寵愛を受け入れることで夫を中将に昇進させるという筋。物語中で少将の妻が読む和歌の文句をとって「くれ竹物語」とも称され、後世には、「鳴門 中将物語」(鳴門は良き若布の産地であり、良き若妻のおかげで少将が幸運を得たことから)の名でも知られた。 直線的な強装束をまとった人物表現、建築や調度、衣服の紋様などの理知的な描線の一方、帝と少将の妻が語らう 夜の庭に蛍を飛ばすなど、自然の風情を細やかに描く叙情的なセンスも感じられる。
重要有形民俗文化財「当山社頭並大祭行列図屏風」
紙本著色金砂子撒、六曲一双、清信筆
江戸時代(元禄頃)の作。金刀比羅宮における10月の大祭の様子を描いたもの。現在、当宮の大祭行列は、御神輿が夜中に山から下りて、御旅所に渡御し、翌日の夜中に御本宮に還るが、江戸時代は、昼間、御本宮に上り、御本宮横の観音堂(現在の三穂津姫社付近)で神事を執り行っていた。本屏風は、まさに、御本宮を目指して進む頭人行列を描いたものである。右隻には、大祭の主役であるお頭人さんたちをはじめ、門前町の風景(禊の様子・歌舞伎興行・うどん屋・大道芸など)が描かれている。左隻には、大門から御本宮までの神域(神域の入口である大門・桜の馬場で敷物を広げて憩う人たち・参拝者の応対をする僧侶たち・たくさんの参拝者で賑わう御本宮など)が描かれている。
その他の作品