このたび、金刀比羅宮12棟の建造物につきまして、歴史的価値が高く、意匠的に優秀であるとして、文化財保護法に基づき国の重要文化財に指定するのが適当である旨の文化審議会の答申がございました。所有者として大変ありがたく、嬉しく思いますと同時に、その責任の重さも感じている次第です。
今回答申された12棟の建造物は当宮の中心となる本宮周辺の社殿群です。明治政府による神仏判然令、いわゆる神仏分離を受け、先人が大変な努力を重ねて仏教的要素を廃し、総檜の素木造りで丸金の神紋、各種錺金物、蒔絵装飾を施すなど、荘厳な神社建築様式を生み出して、明治7年から明治11年にかけて、現在の姿を創り上げました。
当宮では、御来社の皆様にこのような歴史的な価値や文化財としての魅力を分かりやすくお伝えするとともに、国民共有の財産として後世に伝え残す責任を果たすべく、今後も努力して参りたいと考えております。
5月18日
宮司 琴陵泰裕