2. 敬称の「さん」
3. 讃岐(さぬき)の「讃」
【正解】2. 敬称の「さん」
当宮「金刀比羅宮」(ことひらぐう)が鎮座する香川県の象頭山(ぞうずさん)。
明治時代になるまで、本地垂迹(ほんじすいじゃく)説に基づく神仏習合により、象頭山の神さまは、薬師十二神将(やくしじゅうにじんしょう)である金毘羅(こんぴら)の仮の姿(=権現)、つまり金毘羅大権現(こんぴらだいごんげん)である、とされていました。
その信仰が諸国の大名から庶民にまで広まると、人々は金毘羅大権現様を、親しみをこめて敬称の「様」を「さん」とし、「こんぴらさん」と呼ぶようになりました。
金毘羅大権現という名称は、信仰の対象そのものを意味しただけではなく、宗教組織やその境内を意味する場合にも用いられました。例えば、「金毘羅大権現で修行する」とか「今日も金毘羅大権現はにぎわっている」などと用いられました。
明治時代になると、明治政府による神仏判然令、いわゆる神仏分離を受け、金毘羅大権現は金刀比羅宮となり現在に至ります。
ですが、今でも金刀比羅宮は金毘羅大権現当時の愛称「こんぴらさん」と呼ばれています。
実は、選択肢1の「山」も完全に間違いとはいえません。
金毘羅大権現は広く全国で信仰されたため、各地に「金比羅山」「金毘羅山」(こんぴらさん)という名称の山があるのです。
ですが、前述の通り、香川県の象頭山に鎮座する当宮「金刀比羅宮」(ことひらぐう)を「こんぴらさん」と呼ぶ場合の〝さん〟は、「山」ではなく、親しみをこめた敬称なのです。
ちなみに、象頭山は琴平山(ことひらやま)とも呼ばれます。